「手ゼリ」とは、職人が買い付けに来た卸売や小売業者の前に立ち、仕草と言葉でせりを行う、昔ながらのせりの方法です。現在、日本の主要花き市場では、機械を使った「機械ゼリ」が一般的ですが、東京フロリネットは、東京都内でも数少ない「手ゼリ」を採用しています。
限られたプロフェッショナルの存在が不可欠であることは、デメリットではありますが、熟練した職人のセリは、機械ゼリよりも迅速にセリを行うことができ、効率という観点から見ても決してヒケをとるものではありません。そして、なんといっても買い手と売り手の熱気にあふれた手ゼリの現場には、そこでしか味わえない独特の雰囲気が味わえるのです。東京フロリネットはこの手ゼリ文化を守り、継承する役割を果たしていきたいと考えています。
午前7時、準備を整えたセリ人とスタッフが持ち場につくと、一礼してセリが始まる。
セリ人は2人。花きは両脇から中央に待つセリ人の元に送られる。
セリは同時に行われる。セリ人が花を手に取り声をあげると、買参人は目を光らせはじめる。
セリは同時に行われる。セリ人が花を手に取り声をあげると、買参人は目を光らせはじめる。
セリに応じる買参人。入札金額を指で示してセリ人に伝える。
セリに応じる買参人。入札金額を指で示してセリ人に伝える。
セリ人は、顔なじみの買参人ならどの季節に何を欲しがるか、だいたい頭に入っているという。
誰もが欲しい花を競り落として、満足して帰ってもらえる様に努めている。
競り落とされた花は後ろのベルトコンベアに流され、スタッフがコンテナに積む。
競り落とされた花は後ろのベルトコンベアに流され、スタッフがコンテナに積む。
品名と競り値をモニタに表示するのもスタッフの手作業。セリはチームワークが要。
セリにかかる時間は、およそ1時間半から2時間。
セリにかかる時間は、およそ1時間半から2時間。
その間神経を研ぎ澄まし続けるのは、セリ人、買参人どちらにとってもハードワークだ。
その間神経を研ぎ澄まし続けるのは、セリ人、買参人どちらにとってもハードワークだ。
生産者の方々が育てた多彩な花々は、日々こうして市場を通して人々の手に渡っていく。